ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

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遺言事項のまとめ / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

遺言書にはどのようなことを記載しても構いません。

法的に意味のある文言である必要はなく、子供に向けて教訓を書き残したり、友人への感謝の言葉を記してもよいわけです。

自分の葬儀の方法や埋葬方法について記載しても構いません。

ただし、これらの事項は、民法上は、何の意味もないものです。

葬儀の方法や埋葬方法を記したとしても、必ずその通りに実行されるとは限らないのです。これらの事項を付帯事項と言います。

それに対して、遺言書に記載することで法的な効力を有する事項もあります。

遺言事項と呼ばれるものがそうで、例えば遺産分割の方法を指定するとか、誰に遺産を相続させるといった内容です。

以下、遺言事項をまとめておきます。



財産に関する遺言事項

財産に関する遺言事項としては以下のようなものがあります。

・遺言による相続分の指定(民法第九百二条)

第九百二条  被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。
2  被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。

・遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止(民法第九百八条)

第九百八条  被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

特別受益の持戻しの免除(民法第九百三条3項)

第九百三条  共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2  遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3  被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

・遺言による担保責任の定め(民法第九百十四条)

第九百十四条  前三条の規定は、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、適用しない。

※(共同相続人間の担保責任)
第九百十一条  各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。

(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)
第九百十二条  各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、その分割の時における債務者の資力を担保する。
2  弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。

(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)
第九百十三条  担保の責任を負う共同相続人中に償還をする資力のない者があるときは、その償還することができない部分は、求償者及び他の資力のある者が、それぞれその相続分に応じて分担する。ただし、求償者に過失があるときは、他の共同相続人に対して分担を請求することができない。

・包括遺贈及び特定遺贈(民法第九百六十四条)

第九百六十四条  遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。

遺留分 遺贈の減殺の割合(民法第千三十四条)

第千三十四条  遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

※第八章 遺留分
遺留分の帰属及びその割合)
第千二十八条  兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一

遺留分の算定)
第千二十九条  遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。
2  条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
第千三十条  贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。

(遺贈又は贈与の減殺請求)
第千三十一条  遺留分権利者及びその承継人は、遺留分保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。

(条件付権利等の贈与又は遺贈の一部の減殺)
第千三十二条  条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利を贈与又は遺贈の目的とした場合において、その贈与又は遺贈の一部を減殺すべきときは、遺留分権利者は、第千二十九条第二項の規定により定めた価格に従い、直ちにその残部の価額を受贈者又は受遺者に給付しなければならない。

(贈与と遺贈の減殺の順序)
第千三十三条  贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。

一般財団法人の設立・財産の拠出(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百五十二条等)

(定款の作成)
第百五十二条  一般財団法人を設立するには、設立者(設立者が二人以上あるときは、その全員)が定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
2  設立者は、遺言で、次条第一項各号に掲げる事項及び第百五十四条に規定する事項を定めて一般財団法人を設立する意思を表示することができる。この場合においては、遺言執行者は、当該遺言の効力が生じた後、遅滞なく、当該遺言で定めた事項を記載した定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
3  第十条第二項の規定は、前二項の定款について準用する。

(定款の作成)
第十条  一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
2  前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

(財産の拠出の履行)
第百五十七条  設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、遺言執行者。以下この条、第百六十一条第二項、第百六十六条から第百六十八条まで、第二百条第二項、第三百十九条第三項及び第七章において同じ。)は、第百五十五条の公証人の認証の後遅滞なく、第百五十三条第一項第五号に規定する拠出に係る金銭の全額を払い込み、又は同号に規定する拠出に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、設立者が定めたとき(設立者が二人以上あるときは、その全員の同意があるとき)は、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般財団法人の成立後にすることを妨げない。
2  前項の規定による払込みは、設立者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。

(贈与又は遺贈に関する規定の準用)
第百五十八条  生前の処分で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法 の贈与に関する規定を準用する。
2  遺言で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法 の遺贈に関する規定を準用する。

(財産の帰属時期)
第百六十四条  生前の処分で財産の拠出をしたときは、当該財産は、一般財団法人の成立の時から当該一般財団法人に帰属する。
2  遺言で財産の拠出をしたときは、当該財産は、遺言が効力を生じた時から一般財団法人に帰属したものとみなす。

・遺言による保険金受取人の変更(保険法第四十四条、第七十三条

第三章 生命保険
第四十四条  保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2  遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

第四章 傷害疾病定額保険
第七十三条  保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2  遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

・信託の設定(信託法第三条二号)

(信託の方法)
第三条  信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。
一  特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法
二  特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
三  特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

(信託の効力の発生)
第四条  前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。
2  前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。
3  前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。
一  公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成
二  公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知
4  前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。

(遺言信託における信託の引受けの催告)
第五条  第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。
2  前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。
3  委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。

(遺言信託における裁判所による受託者の選任)
第六条  第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。
2  前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。
3  第一項の規定による受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。
4  前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。

(受益者指定権等)
第八十九条  受益者を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては、受益者指定権等は、受託者に対する意思表示によって行使する。
2  前項の規定にかかわらず、受益者指定権等は、遺言によって行使することができる。
3  前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において、受託者がこれを知らないときは、これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。
4  受託者は、受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
5  受益者指定権等は、相続によって承継されない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
6  受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受益者となるべき者」とする。

(遺言信託における委託者の相続人)
第百四十七条  第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合には、委託者の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

(受益者の定めのない信託の要件)
第二百五十八条  受益者の定め(受益者を定める方法の定めを含む。以下同じ。)のない信託は、第三条第一号又は第二号に掲げる方法によってすることができる。
2  受益者の定めのない信託においては、信託の変更によって受益者の定めを設けることはできない。
3  受益者の定めのある信託においては、信託の変更によって受益者の定めを廃止することはできない。
4  第三条第二号に掲げる方法によって受益者の定めのない信託をするときは、信託管理人を指定する定めを設けなければならない。この場合においては、信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限する定めを設けることはできない。
5  第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。この場合において、当該遺言執行者が信託管理人を選任したときは、当該信託管理人について信託行為に前項前段の定めが設けられたものとみなす。
6  第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。この場合において、信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第四項前段の定めが設けられたものとみなす。
7  第百二十三条第六項から第八項までの規定は、前項の申立てについての裁判について準用する。
8  第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において、信託管理人が欠けた場合であって、信託管理人が就任しない状態が一年間継続したときは、当該信託は、終了する。

・「相続させる」旨の遺言 最高裁判所第二小法廷平成3年4月19日(民集45巻4号19頁)

「相続させる」趣旨の遺言は、正に同条にいう遺産の分割の方法を定めた遺言であり、他の共同相続人も右の遺言に拘束され、これと異なる遺産分割の協議、さらには審判もなし得ないのであるから、このような遺言にあっては、遺言者の意思に合致するものとして、遺産の一部である当該遺産を当該相続人に帰属させる遺産の一部の分割がなされたのと同様の遺産の承継関係を生ぜしめるものであり、当該遺言において相続による承継を当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継されるものと解すべきである。



身分関係に関する遺言事項

身分関係に関する遺言事項としては以下のようなものがあります。

・遺言認知(民法第七百八十一条2項)

(認知の方式)
第七百八十一条  認知は、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによってする。
2  認知は、遺言によっても、することができる。

(成年の子の認知)
第七百八十二条  成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。

・未成年後見人の指定(民法第八百三十九条)

第八百三十九条  未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2  親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。

・未成年後見監督人の指定(民法第八百四十八条)

第八百四十八条  未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。

・遺言による推定相続人の廃除(民法第八百九十三条等)

(推定相続人の廃除)
第八百九十二条  遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

(遺言による推定相続人の廃除)
第八百九十三条  被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

(推定相続人の廃除の取消し)
第八百九十四条  被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
2  前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。



遺言の執行に関する遺言事項

遺言執行に関する遺言事項としては以下のようなものがあります。

・遺言執行者の指定(民法第千六条)

第千六条  遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
2  遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
3  遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。

・遺言執行者の職務内容の指定(民法1016条但書)

(遺言執行者の復任権)
第千十六条  遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2  遺言執行者が前項ただし書の規定により第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第百五条に規定する責任を負う。

※(復代理人を選任した代理人の責任)
第百五条  代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。
2  代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、前項の責任を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、この限りでない。



その他

・遺言の撤回及び取消し(民法第千二十二条)

第五節 遺言の撤回及び取消し
(遺言の撤回)
第千二十二条  遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第千二十三条  前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2  前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
第千二十四条  遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。

(撤回された遺言の効力)
第千二十五条  前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。

(遺言の撤回権の放棄の禁止)
第千二十六条  遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。

(負担付遺贈に係る遺言の取消し)
第千二十七条  負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。

・祭祀主催者の指定(民法第八百九十七条1項ただし書)

(祭祀に関する権利の承継)
第八百九十七条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。


●実録行政書士開業十年シリーズ
行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

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人生で最もどん底の時期を生き抜き、人脈、資金、営業経験ゼロの状態から弁護士と行政書士の合同事務所を設立し、現在、十周年を過ぎた行政書士の開業初期の実体験を記した手記。

食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2
知名度、人脈、資金ゼロ、ホームページもSNSも持たず、営業も一切やらずに、毎年一千万以上の売り上げを達成し続け、開業十周年を迎えた行政書士の戦略とは?

食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方1 実録行政書士開業十年3
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食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方3 実録行政書士開業十年5
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