ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

憲法1-13 精神的自由 2009年問6 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

次の文章はある最高裁判例の一節である。この文章の趣旨と適合しないものはどれか。

憲法23条の学問の自由は、学問的研究の自由とこの研究結果の発表の自由とを含むものであり、同条が学問の自由はこれを保障すると規定したのは、一面において、広くすべての国民に対してそれらの自由を保障するとともに、他面において、大学が学術の中心として深く真理を探究することを本質とすることにかんがみて、特に大学におけるそれらの自由を保障することを趣旨としたものである。
教育ないし教授の自由は、学問の自由と密接な関係を有するけど、必ずしもこれに含まれるものではない。
しかし、大学については、憲法の右の趣旨とこれに沿って学校教育法52条が大学は学術の中心として広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究することを目的としていることとに基づいて、大学において教授その他の研究者がその専門の研究の結果を教授する自由は、これを保障されると解するのを相当とする。すなわち、教授その他の研究者は、その研究の結果を大学の講義又は演習において教授する自由を保障されるのである。そして以上の自由は、すべて公共の福祉による制限を免れるものではないが、大学における自由は、右のような大学の本質に基づいて、一般の場合よりもある程度で広く認められるものと解される。(最大判昭和38年5月22日刑集17巻4号370頁以下)

1、大学における学生の集会は、大学の公認した学内団体であるとか、大学の許可した学内集会であるとかいうことのみによって、特別な自由と自治を共有するものではない。
2、大学の自治は、とくに大学の教授その他研究者の人事に関して認められ、大学の自主的判断に基づいて、教授その他の研究者が選任される。
3、遺伝子技術や医療技術など最新の科学技術に関わる研究の法的規制は、それが大学で行われる研究に関わるものであっても、一定の要件の下で許可されうる。
4、学問の自由は、広くすべての国民に対して保障されるものであるため、研究費の配分に当たって、大学の研究者を優遇することは許されない。
5、大学の自治は、その施設と学生の管理についてもある程度で保障され、大学に自主的な秩序維持の機能が認められている。



胡桃「これも国語の問題だわね」
建太郎「うーん。ちょっとわからないなあ……」


胡桃「この判例は東大ポポロ事件という有名な判例の一節よ。ややこしい判例だけど。三つのことを述べているわ」
建太郎「うん。なんだろう」
胡桃「まず、一つ目は、大学の学問の自由と自治は、直接には教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保障するための自治とを意味する。ということね。
二つ目が、大学における学生の集会も、大学の公認した学内団体であるとか、大学の許可した学内集会であるとかいうことのみによって、特別な自由と自治を享有するものではなく、学生の集会が真に学問的な研究またはその結果の発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動に当る行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しないといわなければならない。
そして、三つ目が、大学の許可を受け、大学構内で松川事件に関する演劇を開き、一般の公衆が自由に入場券を買って入場ができるような状態にあった本件集会に、警察官が立ち入ったとしても、大学の学問の自由と自治を享有しない集会であるから、何ら違法ではない。
ということよ。このことを知っていれば、答えはおのずとわかるでしょ」
建太郎「ということは、1に関しては、判例の趣旨そのままだな」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「抜粋されている部分では、大学の自治について述べていないから、適合するかしないか判断のしようがないな」
胡桃「判断のしようがないということは、答えの候補から外していいということよ」
建太郎「うん? 外していいんだ」
胡桃「間違っているものはどれかを選ぶ問題ではないのよ。『適合しないものはどれか』を選ぶわけだから、判断のしようがなければ、答えではないということよ」
建太郎「うーん。なんかすっきりしないな」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「公共の福祉による制限を免れるものではないとあるから、法的規制も許されるということだよな」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「大学における自由は、右のような大学の本質に基づいて、一般の場合よりもある程度で広く認められるものと解される。とあるわけだから、大学を優遇してもいいという趣旨だよな。選択肢は、真逆のことを述べている」
胡桃「ということは適合しないということね」
建太郎「そうなるな」
胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「2と同じく、抜粋されている部分では、大学の自治について述べていないから、適合するかしないか判断のしようがない。ということで答えの候補から外れる」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「4だな」






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