ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

憲法1-15 精神的自由 2006年問5 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

次の文章は、表現と行為の関係に言及したある最高裁判所判決の一節である。これを読み同様に純然たる意見表明ではない各種の行為に対して、判例が採っている考え方として誤っているものは、どれか。

憲法21条の保障する表現の自由は、民主主義国家の政治的基盤をなし、国民の基本的人権のうちでも、とりわけ重要なものであり、法律によってもみだりに制限することができないものである。そして、およそ、政治的行為は、行動としての面を持つほかに、政治的意見の表明としての面をも有するのであるから、その限りにおいて、憲法21条による保障を受けることも明らかである。

1、国家公務員法102条1項及び人事院規則によって、公務員に禁止されている政治的行為も多かれ少なかれ、政治的意見の表明を内包する行為であるから、もしそのような行為が国民一般に対して禁止されるのであれば、憲法違反の問題を生じる。
2、国家公務員法102条1項及び人事院規則による公務員に対する政治的行為の禁止が、憲法上許容されるか否かを判断するにあたり、禁止の目的、この目的と禁止される政治的行為との合理的関連性、政治的行為を禁止することにより得られる利益と、禁止することにより失われる利益との均衡の三点から検討することが、必要である。
3、一般人の筆記行為の自由について、それが、様々な意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補助するものとして、なされる限り、憲法21条の規定の精神に照らして、十分尊重に値するが、表現の自由そのものとは異なるため、その制限や禁止に際し、表現の自由の場合と同等の厳格な基準は要求されない。
4、報道機関の報道行為は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の材料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものであるから、思想の表明の自由と並んで、事実の報道の自由は、表現の自由を想定した憲法21条の保障のもとにある。
5、報道機関の報道が正しい内容をもつためには、報道のための取材行為も憲法21条の規定の精神に照らし、十分尊重に値するから、報道の公共性や取材の自由への配慮から、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ、法廷でメモを取ることを許可することも合理性を欠く措置とは言えない。



胡桃「これは、判例を覚えているかどうかだけの問題だわ」
建太郎「えっ……。ちょっと待って……」


建太郎「マジ答えが分からん!どれも正しいように見えるけど……」
胡桃「判例を正確に覚えていなければ、正誤の判断は難しいでしょうね。とりあえず、条文を確認しておくわよ」

憲法
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

国家公務員法
(政治的行為の制限)
第百二条 職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。
○2 職員は、公選による公職の候補者となることができない。
○3 職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。

胡桃「まず、選択肢の1と2はどうかしら?」
建太郎「正しいよな」
胡桃「正しいわ。判例は、猿払事件において、問題文にかかれている通りの判決を下しているのよ」
建太郎「これは覚えるしかないな」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「うーん。正しいのか?」
胡桃「ブー。不正解」
建太郎「えっ。じゃあ、これが答えなのか?」
胡桃「そうよ。3の文章は、選択肢5とつながっているのよ。レペタ事件の判決の一節だわ」
建太郎「法廷でメモを取れる人が制限されるという話だっけ」
胡桃「判例は、まず、筆記行為については、憲法21条の規定の精神に照らして、尊重されるべきである。としているわ」
建太郎「尊重されるべきである……。十分尊重に値するではなくて、尊重されるべきであるが正しいんだ」
胡桃「そう前置きしたうえで、選択肢5の話につなげているわけね」
建太郎「フーム。なるほどな。ということは判例を読むときは、こんな微妙な文章も正確に覚えなければいけないということか」
胡桃「そうよ。その微妙なニュアンスは慣れるしかないわ。慣れるまでは、判例を暗記するしかないわね」
建太郎「で、残りの4も正しいの?」
胡桃「判例通りよ。というわけで答えは?」
建太郎「3なんだな」





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