ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

憲法1-19 精神的自由 2003年問4 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

次の文章は、ある最高裁判決の一節である。そこにいう検閲の定義に当てはまる事例はいくつあるか。

憲法21条にいう検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部または一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき、網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認められるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す。

1、税関で関税法における輸入してはならない貨物の検査の結果、わいせつ表現を含む書物の輸入を禁止すること。
2、当事者の申請に基づき、審理したうえで、裁判所が、名誉棄損表現を含む出版物を、仮処分により事前に差し止めること。
3、高等学校用政治経済の教科書として出版しようとした書物につき、文部科学省で検定し、不合格の処分を行うこと。
4、メーデー式典に使用する目的で出された、公共の用に供されている広場の利用申請に対して、不許可の処分を行うこと。
5、総務省で、出版前に書物を献本することを義務付け、内閲の結果、風俗を害すべき書物については、発行を禁ずること。



胡桃「これも簡単だわね」
建太郎「う。うん……」


胡桃「もしかして、答えが分からないわけ?」
建太郎「うーん。ちょっと迷う選択肢もあるじゃん」
胡桃「1で迷っているんでしょ」
建太郎「さすが、胡桃。よくご存じで」
胡桃「まず、判例にもあるように、検閲は、発表自体を禁止するものだということはわかるかしら。つまり、検閲に引っかかると、世の中に一切出せなくなるということよ」
建太郎「うん。分かるよ。だから、3のような教科書検定は、教科書としては認められなくても、一般の書物として出版することはできるわけだから、検閲じゃないということだよな」
胡桃「そうよ。判例の言うところの検閲に当たるのは、どれかしら?」
建太郎「5だな。総務省という行政権が発行自体を禁じているんだから」
胡桃「正解。3と5はわかったわね。じゃあ、ほかの選択肢を見ていくわよ。1はどうなのかしら」
建太郎「輸入を禁止されると発表ができないけど……。でも、税関の検査は検閲が目的ではないよな……」
胡桃「例えば、外国のわいせつな文書の輸入を禁じるわけよね。ここで確認しておきたいのは、その書物は既に、発表されているということよ」
建太郎「既に発表されている……。海外でか……。あっ、すでに発表されているということは、その輸入を禁じたとしても検閲には当たらないのか」
胡桃「そうよ。発表することを禁じているわけじゃないからね。日本では見れなくても海外で見ればいいでしょということよ」
建太郎「なるほど。じゃあ、1は検閲には当たらないわけだな」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「うーん。裁判所による仮処分だよな。裁判所は、行政権を行使しているわけではない。司法権だよな」
胡桃「そうね。だから、裁判所による処分は検閲ではないということね」
建太郎「うん。そうだな」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「広場の利用申請の不許可処分は、検閲の問題じゃないでしょ」
胡桃「そうなるわね。というわけで答えは?」
建太郎「検閲に当たるのは5だけで、答えは一つということになる」




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