ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

遺言による未成年後見人の指定 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

・未成年後見人の指定

子供が成人する前に自分の寿命が尽きると覚悟している方もいると思います。
片親が存命であれば、子供の親権者は片親だけになりますが、親が二人ともいなくなる場合は、自分の代わりに親権者となってくれる人を探さなければなりません。

親の代わりに子供の面倒を見る人のことを未成年後見人と言います。
成年後見人の指定は、遺言によって行います。
遺言によって、未成年後見人を指定しなかった場合は、家庭裁判所が選任することになりますが、子供を託せる人が決まっていないというのは子供のためにもよくないことですから、生前に決めておくことが望ましいです。

成年後見人を決めるだけでは不安だ。未成年後見人がちゃんと面倒を見てくれるかどうか心配だという場合は、未成年後見人を監督する者を決めることもできます。これを未成年後見監督人と言います。

成年後見人に選任された人は、親権者と同様に子供の教育や監督、財産の管理を行うことになります。これらの行いに対しては、未成年者の財産(未成年者が相続した遺産)から報酬が支払われることになります。
なお、資力がない場合は、市町村などで支援制度を用意していることもあります。



・未成年後見人を指定する以外の方法

成年後見人を指定する方法以外にも子供の面倒を見てもらう方法はあります。

一つは、信頼できる人に対して負担付遺贈を行う方法です。
遺産を遺贈する見返りとして、受遺者に子供の面倒を見るという負担を負わせるというものです。本当に子どもの面倒を見てくれるかどうか不安だという場合は、遺言執行者を指定することで、受遺者の行いを監督させることもできます。
裁判所が関わらないというだけで、未成年後見人とほぼ同様の目的を達することができますが、やはり、未成年後見人を指定する方法に比べると、不安があるのは否めません。
また、負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。 とされているので、遺産に余裕がある方しか利用できません。

もう一つの方法は、子供を養子に出すという方法です。
養子縁組を結んだ場合は、養親は新たな親権者となりますから、無報酬で子供の養育監護を行うことになります。
資力がない場合でも利用できる制度ですが、養親が子を虐待しないかどうか不安だという方もいるでしょう。養親となる者が信頼できる人間かどうかを見極めることが大切です。



民法条文

(未成年後見人の指定)
第八百三十九条  未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2  親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。

(未成年後見人の選任)
第八百四十条  前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
2  未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
3  未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。

(未成年後見監督人の指定)
第八百四十八条  未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。
(後見監督人の選任)
第八百四十九条  家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。
(後見監督人の欠格事由)
第八百五十条  後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。

(後見人の報酬)
第八百六十二条  家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。

(負担付遺贈)
第千二条  負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2  受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(負担付遺贈の受遺者の免責)
第千三条  負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。



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