ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

憲法1-23 社会権 2008年問4 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

次の記述のうち、最高裁判所判例に照らし、誤っているものはどれか。

1、憲法25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講じるかの選択決定は、立法府の広い裁量に委ねられている。
2、国は、子供自身の利益のため、あるいは、子供の成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当な範囲で教育の内容について決定する権能を有する。
3、労働基本権に関する憲法上の規定は、国の責務を宣言するもので、個々の国民に直接に具体的権利を付与したものではなく、国の立法措置によってはじめて、具体的権利を生じる。
4、労働基本権は、勤労者の経済的地位向上のための手段として、認められたものであって、それ自体が、自己目的ではなく、国民全体の共同利益の見地からの制約を受ける。
5、憲法が義務教育を定めるのは、親が本来、有している子女を教育する責務をまっとうさせる趣旨によるものであるから、義務教育に要する一切の費用を当然に国が負担しなければならないとは言えない。



胡桃「これは、判例を覚えているかどうかだけの簡単な問題だよ」
建太郎「えっ……。そうなの?」


胡桃「まず、1から見ていくわよ。憲法25条は次の条文よ」

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
○2 国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

建太郎「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。その権利を実現するために、国はなんにかの立法措置を講じなければならないと」
胡桃「そうね。だけど、選択決定は、立法府の広い裁量に委ねられている。とするのが判例よ」
建太郎「まあ、財政の問題もあるだろうしな」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「その通りでいいのか」
胡桃「教育権の所在については、国家教育権説と国民教育権説という二つの説があるけど、いずれも極端で一方的だから、どちらも採用できないとしているわ。そのうえで、選択肢のように判示しているのよ」
建太郎「なるほどな」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「憲法の規定を基にしてなんらかの権利を求めることができるんだよな。だとすれば、立法措置を待つまでもない?」
胡桃「そうね。常識でも間違いだとわかるわね。とりあえず、労働基本権には、三つの側面があることを押さえておいてね」

1、自由権的側面 正当な争議行為には刑罰が科せられない。
2、私人間効力 正当な争議行為には損害賠償を請求されることはない。
3、社会権的側面 労働者、労働組合は、政府の行政的救済を受けることができる。

胡桃「このうち、3の社会権的側面については、国の立法措置が必要とされているけど、1、2の権利については、具体的な権利だと解されているわ」
建太郎「つまり、国の立法措置を待つまでもないんだな」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「労働基本権と言えども、制約を受けることがある」
胡桃「そうね。公共の福祉による制約を受けると解されているわ。次の規定ね」

十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「とりあえず、義務教育は無償とされているんだよな」

第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
○2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

胡桃「そうね。この無償の意味は、授業料が無償になるという意味にすぎないわけで、学用品も無償になることを意味しているわけではないというのが判例よ」
建太郎「まあ、当然だろうな」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「3だな」





●【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説

難化する一方の行政書士試験民法を攻略するためのポイントは、試験科目の条文と判例を徹底的に読み込むことです。
条文と判例の知識の量によって行政書士試験の合否が左右されると言っても過言ではありません。
とは言え、判例六法等で、民法の第一条から読み込んでいくのは、きついものがあります。
このテキストは、会話文形式で、民法の第一条から第千四十四条まで学ぶことができます。条文を一通り読むと同時に、重要な判例知識を学ぶことができます。

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 民法総則編

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 物権法編・担保物権法編


行政書士開業。知名度、人脈、資金ゼロ、SNSも営業もやらずに一千万円以上稼ぐ秘訣とは?

 行政書士開業本は、試験に合格してから読むものと思っていませんか?
 これから開業しようと思い立ってから、読むのでは遅すぎます。
 本気で、行政書士試験合格を狙っているあなたならば、試験前日になってから、行政書士試験のテキストや過去問を買い込んで勉強するなんて無謀なことはしないはずです。
 少なくとも数か月前から勉強していますよね。
 行政書士の開業も同じです。否、試験の準備よりも長い準備期間を要します。
 開業するとなれば、資金、人脈、実務経験……。準備しなければならないことは、たくさんあります。一年や二年では、全然、足りませんよ。

 開業の準備を先にスタートさせ、その後で行政書士試験の勉強を始めるくらいが順序としてはちょうどいいのです。

 『実録行政書士開業十年』『食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方』シリーズは、異色の行政書士による開業体験とそのテクニックを記したものです。
 人見知りをするし、引きこもり体質。暇さえあれば小説を書くか本を読んでいる人間で、本来は行政書士には全く向いていないという著者。
 おまけに、金、経験、人脈なしの最悪の状況からの開業!
 それでも、十数年以上にわたり、まともに稼げている。ということを知っていただければと思います。

バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年
平成十五年の行政書士試験合格後、大学卒業と共に行政書士補助者となるも二か月で失業。
人生で最もどん底の時期を生き抜き、人脈、資金、営業経験ゼロの状態から弁護士と行政書士の合同事務所を設立し、現在、十周年を過ぎた行政書士の開業初期の実体験を記した手記。

食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2
知名度、人脈、資金ゼロ、ホームページもSNSも持たず、営業も一切やらずに、毎年一千万以上の売り上げを達成し続け、開業十周年を迎えた行政書士の戦略とは?

食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方1 実録行政書士開業十年3
行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり!
金、経験、人脈なしの最悪の状況から一千万以上稼ぐに至った行政書士だけが知っている孫子の極意とは?

食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方2 実録行政書士開業十年4
低価格を提示するのは、自分がバカだと世間に公示しているようなもの!孫子の兵法の経営戦略を忠実に実行すれば、行政書士で年間一千万以上稼ぐのは当たり前!金、経験、人脈なしの最悪の状況で開業した行政書士どん底で掴んだ極意とは?

食える行政書士だけが知っている孫子の兵法の読み方3 実録行政書士開業十年5
行政書士は食えない、役立たない資格。だからこそ、食えるのだ――。金、経験、人脈なしの最悪の状況で開業した行政書士が、孫子の兵法によって悟りを開き、たどり着いた境地とは?