ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

民法1-3 私権の主体 2012年問27 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

権利能力、制限行為能力及び意思能力に関する次の記述のうち、民望及び判例に照らし妥当なものはどれか。

1、胎児に対する不法行為に基づく当該胎児の損害賠償請求権については、胎児は既に生まれたものとみなされるので、胎児の母は、胎児の出生前に胎児を代理して不法行為の加害者に対して損害賠償請求することができる。
2、失踪の宣告を受けた者は、死亡したものとみなされ、権利能力を喪失するため、生存することの証明が為され、失踪の宣告が取り消されたとしても、失踪の宣告後、その取り消し前になされた行為はすべて効力を生じない。
3、成年後見人は、正当な事由があるときは、成年被後見人の許諾を得て、その任務を辞することができるが、正当な事由がない時でも、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
4、成年被後見人の法律行為について、成年後見人は、これを取り消し、又は追認することができるが、成年被後見人は、事理弁識能力を欠く常況にあるため、後見開始の審判が取り消されない限り、これを取り消し、又は追認することができない。
5、後見開始の審判を受ける前の法律行為については、制限行為能力を理由として当該法律行為を取り消すことはできないが、その者が当該法律行為の時に意思能力を有しないときは、意思能力の不存在を立証して、当該法律行為の無効を主張することができる。



胡桃「これは、判例の知識を素直に聞いている簡単な問題だわ」
建太郎「ああ。そうだな」



胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「不法行為における胎児の権利能力については、判例は、停止条件説を採っているんだよな。つまり、とりあえず、権利は発生するけど、生まれるまでは、損害賠償請求権を行使することはできないと」
胡桃「そうよ。基本的な判例だから押さえておいてね。2はどうかしら?」
建太郎「失踪宣告が為されたとしても、その人がどこかで生きていれば、失踪宣告が取り消されるまでにした行為も、有効なんだよな」
胡桃「そうね。失踪宣告は、残された人たちのための便宜的な制度であって、失踪者の権利能力を喪失させる制度ではないということね」
建太郎「OK」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「家庭裁判所の許可を得て辞任する場合でも、正当な事由が必要だよな」

(後見人の辞任)
第八百四十四条 後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。

胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「取り消しは、成年被後見人自身でもできるよな。追認はできないけど」

(取消権者)
第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

(追認の要件)
第百二十四条 追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。
2 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。
3 前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「その通りでいいんだよな」
胡桃「判例そのままの出題だから、そのまま覚えてね。というわけで答えは?」
建太郎「5だな」








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