ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

民法1-22 物権変動 2007年問29 / 行政書士試験に合格できなければ公務員試験は無理!

美術商Aは、絵画を盗まれたが、後日、Bの運営する美術館に当該絵画が掲げられているのを発見した。
Bに即時取得が成立しているとして、Aが採るべき行動として正しいものはどれか。

1、その絵画は、面識のないCがBのもとに持ち込み、買取を求めたものだった。Aは買取の日から2年以内であれば、Bに対して、その絵画の買い取り請求権を行使することができる。
2、その絵画は、面識のないCがBのもとに持ち込み、買取を求めたものだった。Aは買取の日から2年以内であれば、Bに対して保管に要した費用を支払って、その絵画の引き渡しを求めることができる。
3、その絵画は、面識のないCがBのもとに持ち込み、買取を求めたものだった。Aは盗難の日から2年以内であれば、Bに対して、まったく無償でその絵画の引き渡しを求めることができる。
4、その絵画は、Bがオークションで落札したものだった。Aは盗難の日から2年以内であれば、Bに対して、保管に要した費用を支払って、その絵画の引き渡しを求めることができる。
5、その絵画は、Bがオークションで落札したものだった。Aはオークションの日から2年を超えても、Bに対して、オークションで落札した金額と保管に要した費用を支払って、その絵画の引き渡しを求めることができる。



胡桃「これは条文がそのまま適用される場面だわ」
建太郎「うん。盗品と遺失物の問題だな」




胡桃「まず、どの条文が問題になっているか分かるわね?」
建太郎「次の条文だな」

(盗品又は遺失物の回復)
第百九十三条 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

第百九十四条 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

胡桃「選択肢を一つ一つ見ていくわよ。まず、1はどうかしら?」
建太郎「買取の日からとなっているのが間違いだな。正しくは、盗難又は遺失の時からだ」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「買取の日からというのが間違いだし、保管に要した費用を支払うという規定はない」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「正しいね。第百九十三条二は、代価を支払わなければならないとは書かれていない」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「第百九十四条が適用される場面だな。この場合は、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。とされているけど、保管に要した費用を支払うわけではない」
胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「盗品又は遺失物の回復は、盗難又は遺失の時から二年間に限られている。それに、支払うべきなのは、占有者が支払った代価で、保管に要した費用ではない」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「3だな」









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