ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

民法1-45 債権各論 2007年問33 / 宅建、行政書士、司法書士に独学で一発合格したいあなたへ!

AがBから中古車を購入する交渉をしていたが、条件に折り合いがついたため、Bに対して書面を郵送して購入の申し込みの意思表示をした。その際、承諾の意思表示について、8月末までと期間を定めて申し入れていた。
この場合の契約の成否について、次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、Aは申し込みの書面を発送した直後に気が変わり、今は別の車を購入したいと思っている。Bが承諾の意思表示をする前に申し込みを撤回すれば、契約が成立しなかったことになる。
2、Bの承諾の意思表示がAに到達したのは、9月2日だった。消印によるとBが発送したのは、9月1日だった。そこで、Aは、これをBから新たな申し込みがなされたものとみなして承諾したが、契約は成立したと考えてよいか。
3、Bから、8月末を過ぎても何の回答もなかった場合でも、期間が過ぎた以上、契約が成立したと考えるべきか。
4、Aは、分割払いとして申し入れていたが、Bからは、売ってもよいが、代金は一括払いにしてほしい旨の返答が来た。この場合、代金一括払いとして契約が成立する。
5、Bの承諾の通知は、8月28日に郵送されたが、Aの配偶者が受け取って保管したが、A自身がその通知を発見したのは9月20日だった。この場合でも、Bとの売買契約は成立したことになる。



胡桃「契約の成立に関する基本的な問題だわ」
建太郎「うん。簡単だな」




胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「条文そのままだな」

(承諾の期間の定めのある申込み)
第五百二十一条 承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない。
2 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。

建太郎「承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない。とあるとおりだ」
胡桃「2はどうかしら」
建太郎「条文そのままだな」

(遅延した承諾の効力)
第五百二十三条 申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。

胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「回答がなければ、契約は成立しないよな」
胡桃「そうね。第五百二十一条2項にある通りだわ。4はどうかしら」
建太郎「設問の事例だと、申し込みの拒絶とともに新たな申し込みをしていることになるよな。次の条文にある通りだ」

(申込みに変更を加えた承諾)
第五百二十八条 承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。

建太郎「だから、契約は成立したわけではなくて、代金一括払いでの申し込みがなされたにすぎないと」
胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「到達とは、どういう状態に置かれたことを意味しているのかの問題だな」
胡桃「どう考えたらいいかわかるわね」
建太郎「Aの配偶者が受け取って保管している以上、Aの支配圏に到達しているから、契約は成立していることになるな」
胡桃「そうね。判例の事例だわね。というわけで答えは?」
建太郎「2、5の二つだな」










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