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民法1-48 債権各論 2012年問31 / 宅建、行政書士、司法書士に独学で一発合格したいあなたへ!

Aは、甲土地について、その売り主Bとの間で、売買契約を締結したが、甲土地には、権利等に瑕疵があった。この場合において、民法の規定及び判例に照らし、正しいものはどれか。

1、甲土地の全部の所有権がCに属していたことを知りながら、BがこれをAに売却した場合において、BがCからその所有権を取得して、Aに移転することができない場合は、甲土地の所有権の全部がCに属していたことについて善意のAは、その事実を知った時から、1年以内に限り、Bに対して、契約を解除して、損害賠償請求ができる。
2、甲土地の全部の所有権がCに属していたことを知らずにBがこれをAに売却した場合において、BがCからその所有権を取得して、Aに移転することができない場合は、Bは、契約の時に、甲土地の全部の所有権がCに属していたことについて、善意のAに対して、単に甲土地の所有権を移転できない旨を通知して、契約の解除をすることができる。
3、甲土地の一部の所有権がCに属していた場合において、BがCからその所有権を取得して、Aに移転することができない場合は、Aは、甲土地の一部の所有権がCに属していたことについて善意であるか悪意であるかを問わず、契約の時から、1年以内に限り、Bに対してその不足する部分の割合に応じて、代金の減額を請求することができる。
4、契約の時に、一定の面積を表示し、この数量を基礎として、代金額を定めてBがAに甲土地を売却した場合において、甲土地の面積が契約時に表示された面積より実際には少なく、表示された面積が契約目的を達成するうえで、特段の意味を有しているために、実際の面積であれば、これを買い受けなかったときは、その面積の不足について善意のAは、その事実を知った時から、1年以内に限り、Bに対して契約を解除して損害賠償請求することができる。
5、甲土地について、Cの抵当権が設定されていた場合において、Aがこれをしらずに買い受けた場合は、AはBに対して、契約を直ちに解除することができ、また、抵当権の行使により損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。



胡桃「この問題が、何に関する問題かわかるわね?」
建太郎「売り主の担保責任に関する問題だな」




胡桃「まず1はどうかしら?」
建太郎「条文そのままだな。1年以内に限るという規定はない」

(他人の権利の売買における売主の担保責任)
第五百六十一条 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。

胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「売り主自身が他人物売買だと気づいていない場合だな。次の条文の規定による」

(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)
第五百六十二条 売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。
2 前項の場合において、買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。

建太郎「買主が善意の場合は、当然、損害を賠償しなければならないことになっているよな」
胡桃「そうね。3はどうかしら?」
建太郎「一部他人物売買の場合だな。条文そのままだ」

(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
第五百六十三条 売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
2 前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。
3 代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠償の請求をすることを妨げない。

第五百六十四条 前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。

建太郎「代金減額請求は、善意だろうと悪意だろうとできるけど、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。とされている」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「その通りだよな」

(数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任)
第五百六十五条 前二条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。

胡桃「5はどうかしら?」
建太郎「所有権を失ったときに限り、買主は、契約の解除をすることができる。とされているよな。抵当権が設定されているだけでは、契約解除はできない」

(抵当権等がある場合における売主の担保責任)
第五百六十七条 売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。
2 買主は、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。
3 前二項の場合において、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。

胡桃「そうね。というわけで答えはどれかしら?」
建太郎「4だな」









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