ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

民法1-65 債権各論 2010年問32 / 宅建、行政書士、司法書士に独学で一発合格したいあなたへ!

Aは、Bのために事務処理を行ったが、この行為が、「1、AB間における委任契約に基づく債務の履行」 「2、Bのための事務管理」である場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか?




1、委任の場合は、事務処理に関して費用を要するときは、AはBに対して前払いを求めることができるが、事務管理の場合は、費用の前払いを請求することができない。

2、Aは、委任の場合は、事務を処理するために善良なる管理者の注意をもって必要と判断した費用についてBに対して償還請求できるが、事務管理の場合は、Bのために有益であった費用についてのみBに対し償還請求できる。

3、Aは、委任の場合は、Bを代理する権限が法律上当然には認められないのに対し、事務管理の場合は、Bを代理する権限が法律上当然に認められる。

4、Aは、委任の場合には、事務を処理するにあたり受け取った金銭をBに引き渡さなければならないが、事務管理の場合は、Bに対しそのような義務はない。

5、Aは、委任の場合は委任の終了後、遅滞なくBに事務処理の経過及び結果を報告しなければならないのに対し、事務管理の場合は、事務管理を終了してもBの請求がない限り、事務処理の結果を報告する義務を負わない。




胡桃「条文レベルの簡単な問題だわ」

建太郎「おう。そうだな」


胡桃「まず、1はどうかしら?」

建太郎「委任は前払い請求が認められているけど、事務管理にはそんな制度はない。選択肢は正しいな」

胡桃「条文を確認しておくわよ」




(受任者による費用の前払請求)

第六百四十九条 委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。




胡桃「2はどうかしら?」

建太郎「これも正しいな」




(受任者による費用等の償還請求等)

第六百五十条 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。




(管理者による費用の償還請求等)

第七百二条 管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。




胡桃「3はどうかしら?」

建太郎「委任に関しては当然に代理権が授与されているわけではないよな。事務管理についても、本人の名で法律行為をしても無権代理ということになる」

胡桃「そうね。事務管理に関しては判例があるわ」




事務管理者が本人の名でした法律行為の効果は、当然には本人に及ぶものではない。(最判昭和36年11月30日)




胡桃「次、4はどうかしら?」

建太郎「どちらも引き渡し義務を負っているよな。常識でもわかることだ」




(受任者による受取物の引渡し等)

第六百四十六条 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。

2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。




(委任の規定の準用)

第七百一条 第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。




胡桃「5はどうかしら?」

建太郎「どちらも報告義務があるよな。常識でわかることだ」




(受任者による報告)

第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。




胡桃「というわけで答えは?」

建太郎「1、2の二つだな」











●【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説

難化する一方の行政書士試験民法を攻略するためのポイントは、試験科目の条文と判例を徹底的に読み込むことです。
条文と判例の知識の量によって行政書士試験の合否が左右されると言っても過言ではありません。
とは言え、判例六法等で、民法の第一条から読み込んでいくのは、きついものがあります。
このテキストは、会話文形式で、民法の第一条から第千四十四条まで学ぶことができます。条文を一通り読むと同時に、重要な判例知識を学ぶことができます。


→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 民法総則編

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 物権法編・担保物権法編

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 債権総論編 現行法版

→ 【宅建士、行政書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 債権各論編 現行法版

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 親族法編

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ 民法条文 逐条解説 相続法編

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 民法総則編

→ 【宅建士、行政書士、司法書士試験対応版】ライトノベルで学ぶ民法債権法改正講義実況中継 債権総論編1



判例六法 丸暗記100問ドリルシリーズ 民法編 宅建行政書士司法書士に独学で一発合格したいあなたへ!

宅建行政書士司法書士に独学で一発合格する極意は『判例六法を丸暗記すること』です。
法律系資格試験の勉強は、判例六法に始まり、判例六法で終わる。と言っても過言ではありません。
宅建士試験、行政書士試験、司法書士試験、司法試験用に様々なテキストや過去問が出ていますが、判例六法と照らし合わせると、すべて、判例六法に掲載されている事柄だということに気づくと思います。
それならば、いろいろなテキストの間を右往左往しているよりも、判例六法一冊だけを丸暗記してしまうのが手っ取り早いと思いませんか?
判例六法 丸暗記100問ドリルは、そのための問題集です。

判例六法 丸暗記100問ドリル 民法1

判例六法 丸暗記100問ドリル 民法2

判例六法 丸暗記100問ドリル 民法3

判例六法 丸暗記100問ドリル 民法4

判例六法 丸暗記100問ドリル 民法5