ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

民法1-67 家族法 2006年問35 / 宅建、行政書士、司法書士に独学で一発合格したいあなたへ!

Aは、自己が所有する甲建物に居住していたところ、Bと婚姻後においても、同建物にABと同居することとなった。この場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、A、Bが甲建物に関して、婚姻の届出前に別段の契約をしなかったときは、甲建物は、ABの共有に属するものと推定される。
2、ABの婚姻後にAが甲建物を第三者Cに譲渡したときは、Bは、そのAC間の売買契約を取り消すことができる。
3、ABの婚姻後に甲建物について必要な修繕をしたときは、その修繕に要した費用は、ABで分担する。
4、ABの婚姻後に甲建物内に存するに至った動産は、ABの共有に属するものとみなされる。
5、ABが離婚した場合において、AまたはBがその相手方に対して財産の分与を請求できるときに、その請求権を有する者は、甲建物内に存する動産について先取特権を有する。

胡桃「これは夫婦の財産に関する条文レベルの知識を問う問題だわ」
建太郎「おう。簡単だな」




胡桃「1はどうかしら?」
建太郎「Aが所有していたなら、婚姻後も、A所有のままだよな」
胡桃「そうね。特有財産ということになるわ。条文を確認しておくわよ」

(夫婦間における財産の帰属)
第七百六十二条 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「Aの特有財産なんだから、Aが自由に処分してもいいよな。Bは文句を言えない」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「うーん。A所有の建物でも、ABが共同で使っていて、修繕が必要になったら、Bも費用を負担すべきだよな」
胡桃「そうね。婚姻費用ということになるわ。条文を確認するわよ」

(婚姻費用の分担)
第七百六十条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

建太郎「あっ。なるほど、この条文によるんだな」
胡桃「次、4はどうかしら?」
建太郎「うーん。例えば、胡桃が買ったものは胡桃の物だよな。俺の物になるわけではない」
胡桃「当然の話だわ。私たちは赤の他人なんだから」
「いや、結婚するんだから、赤の他人じゃないし」

(夫婦間における財産の帰属)
第七百六十二条 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

建太郎「共有に属するものと推定されるのは、俺たち夫婦のいずれに属するか明らかでない財産だけだよな」
胡桃「私たちの間で共有に属するものなんてありえないわ。次、5はどうかしら?」
建太郎「まず、財産分与請求権ってこの規定だよな」

(財産分与)
第七百六十八条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

胡桃「そうよ。この請求権について、動産先取特権を行使できるかという話よ」
建太郎「うーん。できないんじゃないかな」
胡桃「条文を確認するわよ」

(動産の先取特権
第三百十一条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
一 不動産の賃貸借
二 旅館の宿泊
三 旅客又は荷物の運輸
四 動産の保存
五 動産の売買
六 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給
七 農業の労務
八 工業の労務

胡桃「この中に、財産分与請求権は含まれていないわ。だから、動産の先取特権は行使できないということね」
建太郎「なるほど。そういう話なのか」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「3だな」










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