ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

憲法1-29 国会 2011年問6 / 行政書士試験の勉強は、開業の準備をしてから始めよう

憲法43条1項は、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と定める。この全国民の代表に関わる次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1、これと同様の定式は、近代憲法に多く見られ、大日本帝国憲法でも採用されている。
2、この定式は、近代の国民代表議会の成立に伴い、国民とその代表者との政治的意思の一致を法的に確保する目的で命令委任の制度と共に導入されたものである。
3、政党は、国民の中の一党派であり、全国民を代表するものではないため、議員が、政党の党議拘束に服することは、憲法上許されないものと解されている。
4、議員は、議会で自己の信念のみに基づいて発言評決すべきであり、選挙区など特定の選出母体の訓令に法的に拘束されない。との原則は、自由委任の原則と呼ばれる。
5、選挙は、現代では、政党間の選択としての意味を持つため、現行法上、議員は所属政党から離脱した時は、自動的に議員としての資格を失うものとされている。



胡桃「これは常識でも解ける簡単な問題だわ」
建太郎「えっ……。簡単なの?」



胡桃「まず、1はどうかしら?」
建太郎「大日本帝国憲法時代は、全国民が選挙権を持っていたわけじゃないよな。税金をたくさん納めた人だけだっけ」
胡桃「そうね。日本史を勉強していればわかることよね。ついでに条文を確認しておくわよ」

大日本帝国憲法

第34条 貴族院貴族院令ノ定ムル所ニ依リ皇族華族及勅任セラレタル議員ヲ以テ組織ス
第35条 衆議院ハ選挙法ノ定ムル所ニ依リ公選セラレタル議員ヲ以テ組織ス

胡桃「次、2はどうかしら」
建太郎「何のことかよくわからん」
胡桃「まず、命令委任の制度とは何かわかるかしら?」
建太郎「つまり、議員は、選挙で選んでくれた人から委任されているから、彼らの命令に従うべきということか」
胡桃「そうよ。ところで、憲法43条1項の全国民を代表するの意味は、それとは真逆だとわかるかしら?」
建太郎「選挙区民の意向だけを聞くのではなくて、全国民の代表として行動すべきだと」
胡桃「すると、2はおかしいとわかるでしょ」
建太郎「なるほど。そう考えるわけだな」
胡桃「3はどうかしら」
建太郎「うーん。正しそうに見えるけど……」
胡桃「判例は、政党は、議会制民主主義において、きわめて重要な存在であるとしているわ。つまり、政党の存在を容認しているわけね。そのうえで、政党の党議拘束に服することは、国民の代表者としての実質を発揮するとしているわ」
建太郎「じゃあ、議員が、政党の党議拘束に服することは、憲法上、認められているわけだな」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「さっき確認した話か?選挙区民の意向だけを聞くのではなくて、全国民の代表として行動すべきだと」
胡桃「そうよ。そのことを自由委任の原則と呼ぶのよ。命令委任の制度の反対の制度だから、用語を覚えてね」
建太郎「OK」
胡桃「というわけで、4が答えよ。次、5はどうかしら」
建太郎「5は、常識でもわかる話だな。所属政党から離脱しても無所属で議員をやっている人がいる」
胡桃「ただ、注意したいのは、無所属ならばいいけど、ほかの政党に所属してしまうと、当選を失ってしまうということね。公職選挙法の規定を確認しておくわよ」

公職選挙法
衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙における所属政党等の移動による当選人の失格)
第九十九条の二 衆議院比例代表選出)議員の選挙における当選人(第九十六条、第九十七条の二第一項又は第百十二条第二項の規定により当選人と定められた者を除く。以下この項から第四項までにおいて同じ。)は、その選挙の期日以後において、当該当選人が衆議院名簿登載者であつた衆議院名簿届出政党等以外の政党その他の政治団体で、当該選挙における衆議院名簿届出政党等であるもの(当該当選人が衆議院名簿登載者であつた衆議院名簿届出政党等(当該衆議院名簿届出政党等に係る合併又は分割(二以上の政党その他の政治団体の設立を目的として一の政党その他の政治団体が解散し、当該二以上の政党その他の政治団体が設立されることをいう。)が行われた場合における当該合併後に存続する政党その他の政治団体若しくは当該合併により設立された政党その他の政治団体又は当該分割により設立された政党その他の政治団体を含む。)を含む二以上の政党その他の政治団体の合併により当該合併後に存続するものを除く。第四項において「他の衆議院名簿届出政党等」という。)に所属する者となつたときは、当選を失う。






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