ライトノベルで学ぶ 行政書士試験過去問

行政書士試験の最重要過去問を日本一わかりやすく解説

民法1-61 債権各論 2007年問34 / 宅建、行政書士、司法書士に独学で一発合格したいあなたへ!

次の文章の【   】に当てはまる語句を埋めよ。

①甲組は,その威力をその暴力団員に利用させ,又はその威力をその暴力団員が利用することを容認することを実質上の目的とし,下部組織の構成員に対しても,甲組の名称,代紋を使用するなど,その威力を利用して資金獲得活動をすることを容認していたこと,
②上告人は,甲組の1次組織の構成員から,また,甲組の2次組織以下の組長は,それぞれその所属組員から,毎月上納金を受け取り,上記資金獲得活動による収益が上告人に取り込まれる体制が採られていたこと,
③上告人は,ピラミッド型の階層的組織を形成する甲組の頂点に立ち,構成員を擬制的血縁関係に基づく服従統制下に置き,上告人の意向が末端組織の構成員に至るまで伝達徹底される体制が採られていたことが明らかである。

以上の諸点に照らすと,上告人は,甲組の下部組織の構成員を,その直接間接の【 1 】の下,甲組の威力を利用しての資金獲得活動に係る事業に従事させていたということができるから,上告人と甲組の下部組織の構成員との間には,同事業につき,民法715条1項所定の【 2 】と【 3 】の関係が成立していたと解するのが相当である。

また,上記の諸点及び①暴力団にとって,縄張や威力,威信の維持は,その資金獲得活動に不可欠のものであるから,他の暴力団との間に緊張対立が生じたときには,これに対する組織的対応として暴力行為を伴った対立抗争が生ずることが不可避であること,
②甲組においては,下部組織を含む甲組の構成員全体を対象とする慶弔規定を設け,他の暴力団との対立抗争に参加して服役した者のうち功績のあった者を表彰するなど,その資金獲得活動に伴い発生する対立抗争における暴力行為を賞揚していたことに照らすと,甲組の下部組織における対立抗争においてその構成員がした殺傷行為は,甲組の威力を利用しての資金獲得活動に係る【 4 】と密接に関連する行為というべきであり,甲組の下部組織の構成員がした殺傷行為について,上告人は,民法715条1項による【 5 】を負うものと解するのが相当である。(最判平成16年11月12日)

胡桃「さあ、どうかしら?」
建太郎「有名な判例なんなんだよな」
胡桃「もちろん有名だわ」



胡桃「まず、この判例では何が問題になっているかわかるかしら?」
建太郎「暴力団の最上位の組長と下部組織の構成員との間に使用者と被用者の関係が成立しているかどうかということだよな」
胡桃「そうね。他には?」
建太郎「暴力団の殺傷行為が、暴力団の業務執行につき行われたと言えるかどうかという問題だな」
胡桃「暴力団の業務執行につき行われたとなると、どうなるのかしら?」
建太郎「暴力団の殺傷行為について、暴力団のトップに対して、使用者責任を問うことができるということになるんだよな」

(使用者等の責任)
第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

胡桃「それを踏まえたうえで、12345に当てはまる語句を埋めてよね」
建太郎「次の通りだな」

1、指揮監督
2、使用者
3、被用者
4、事業の執行
5、使用者責任

胡桃「そうね。簡単な問題だったわね」











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